「腰を少し動かすだけでも痛い。しかし、もっと苦しかったことは痛みよりも、この年になって自分の娘より若い看護師さんに下の世話をしてもらったことでしたね。もう涙が出ましたよ。自分の足でトイレに行けるようになるまでの3、4日間お世話になったでしょうか。情けなかったですね」
退院後、会社に1カ月間の休暇届を出した。1カ月後に通勤を再開したが、脊椎の骨折が完治したわけではない。現在も腰にコルセットをはめたまま、不自由な生活を送っている。腰のあたりが少し痛み、自由に折り曲げることもできず、歩行にしてもやや苦痛が伴う。
「この病気には手術というものがないそうで、骨が自然にくっつくことを待たなくてはなりません。その間、担当医から少しずつ運動をして足や腰周辺の筋肉をつけなさいと言われています」
最近は毎朝、家の周辺を5キロ近く散歩しているという。
患者に聞け