“無添加食品”ブームに専門家異論 「逆に健康損ねる可能性も」

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 食品による健康被害は大きく4種類ある。

(1)糞便系大腸菌群の増殖している食品。毎年もっとも多い食中毒はこの食中毒菌による食中毒だ。
(2)マイコトキシンが入っている食品。カビが生産する毒素で発がん性、肝障害、腎障害などの原因となる物質。
(3)過酸化脂質が含まれる食品。中性脂肪など油脂成分が活性酸素によって酸化し生成。がん、動脈硬化に影響するとされる。
(4)フグ、キノコ、貝など毒性のある物質が入っている食品。

■意外にも健康志向のほうが摂取

 中でも、(1)~(3)の食品は、出来たてを食べれば食中毒はほとんど発生しない。安全な添加物で、出来たての状態に保っているのが現実だ。

「保存料無添加の食品は、添加された食品に比較すれば菌の増殖は早い。また、これからの時季、商品の輸送や陳列など温度変化が激しい環境にさらされるから“鮮度”が保てない。リスクは高まります。そのためスーパーなどでも、『無添加』食品の期限前の廃棄量は増えていて、経済的にも非効率です。保存料を添加することで、細菌の増殖を抑制し、食中毒の抑制と商品の日持ちを良くする。確かに、人工保存料ソルビン酸は体にはない成分ですが、研究によって栄養素と一緒に分解され、食塩より危険性が少ないことが分かっています」

2 / 3 ページ

関連記事