“無添加食品”ブームに専門家異論 「逆に健康損ねる可能性も」

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 実は健康志向の方が、意外に添加物を取っている。というか、避けて通れない存在と言ってもいい。

「添加物はトクホ食品の素材として重宝されています。例えば、『増粘多糖類』には血糖値やコレステロール値を下げる働きがあります。また、知ってもらいたいのが塩分を必要とする食品は無添加によって味が薄くなってしまいます。減塩で『うま味』を出すためには大量の昆布、かつおだしなどを使用しなければならないが、簡単にごまかせるのが『塩』なのです。一般の無添加をうたうレストランで、大量の塩分で味を調整する店は少なくありません。循環器疾患、がん予防のため、減塩が提唱される世の中で、やみくもに無添加にこだわることが、逆に健康を損ねている可能性も考えた方がいいでしょう。現実に高血圧、予備群を含む糖尿病、メタボ、慢性腎炎、嚥下(のみ込み)困難者など約6000万人を超える方々の安全な食をつくるためには添加物は必須です」

 無添加だから大丈夫なのではない。何をどのくらい食べるのかが大事なのだ。

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