知っておきたい「胃ろう」の現実 “拒むチャンス”は一度だけ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 全日本病院協会の調査によると、チューブを通して胃に直接栄養を流し込む「胃ろう」をつけている人は全国で推定26万人。40万~50万人という推計もある。

 そんな中、厚労省は昨年4月に胃ろうの診療報酬を改定。胃ろうの造設手術の診療報酬を下げ、本当に胃ろうが必要なのかを調べる検査やリハビリへの加算を手厚くした。ここ数年、終末期を迎えている高齢者に対し、医療機関が安易に胃ろうを作るケースが問題視されたことを受けて動いたといわれる。

 胃ろうは、脳卒中やがんなどで通常の経口摂取ができない患者や、物をのみ込む嚥下能力が衰えて肺炎を繰り返すような高齢者を対象に行われている。手術は15分程度。簡単に十分な栄養補給ができ、感染症になるリスクが低いというメリットもある。胃ろうを取り付けたことで、生活の自立度が改善したという報告もある。一方、植物状態でも半永久的に生きられるため、際限のない延命が強要される危惧もある。老親や自分が、いつ選択を迫られる状況になるかわからない。後悔しないためには、胃ろうの現状を知っておくことが大切だ。

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