「A君の鼻の中は重篤な鼻詰まり状態でした。お母さんは、夜中に何度も無呼吸を起こしていると言います。検査では、最長無呼吸状態は23秒でした」
話し合いの上、鼻詰まり治療を開始。すると、睡眠中のいびき、無呼吸は全くなくなった。朝まで熟睡するようになり、食事量が増え、好き嫌いが減った。癇癪を起こさなくなり、集中力が上がった。担任からも注意されなくなり、成績は著しく向上した。
「鼻詰まりがあると息苦しさから口呼吸になり、睡眠の質が著しく低下します。大人もつらいですが、子供はより深刻。12~14歳ごろまではよく眠ることが知能を発達させる上で重要なのに、それが妨げられるからです」
■子供には自覚がない場合も
特に前頭葉への影響が大きい。この領域にそなわる記憶力、注意力、集中力、認知・推理力、判断力、実行力、情動、動機づけなど“人間らしさ”を表す機能が低下してしまうのだ。