「認知症」発症の真犯人説 脳を壊すタンパク質“タウ”って何?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 一方、タウの蓄積と神経細胞死、さらには病状とその進行は、複数の研究によって強い相関関係が証明されているという。

「しかし、なぜ、タウが異常になるのか、神経細胞を次々と伝播して広がっていくのか、などはまだナゾのままです。ただ、アミロイドβが蓄積せずに、タウだけが異常になって蓄積してくる認知症があります。若年性認知症の一種であるピック病がそれで、まだ働き盛りの40~60代に多く、性格変化や抑制が利かない行動をする症状が表れたりします。また、転びやすくなったり、運動機能の障害が先に出る前頭側頭型認知症もあります」

 これらの認知症はいずれも異常なタウによって引き起こされる病気ということで、「タウオパチー」と呼ばれている。

「タウの種類や異常な形、それに病変の広がる脳の部位が異なりますが、タウの異常によって起こると考えられています」

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