日本でも、いま「日常的に体を動かすこと」の有効性について注目が集まっている。「運動と循環」などについて研究を行う東京工業大学社会理工学研究科・林直亨教授が言う。
「『Non-Exercise Activity Thermogenesis=非運動性活動熱産生』の頭文字をとって『NEAT(ニート)』と呼んでいます。意識した運動によらない体熱産生、つまり日常の生活で消費されるエネルギーのことで、これが健康維持のためにかなり役立つことが分かったのです」
太っている人とやせている人を比べたある研究では、前者は長時間テレビを見ているのに対し、後者はスポーツクラブに行っていなくてもちょこまか日常的に動いていた。
前出のベドゥ氏と同様に、「意識せずに動いていることが大きい。ほんのちょっとの積み重ねが非常に重要」と林教授は指摘する。