排便障害も…流行の「炭水化物抜き」は腸に悪いと医師警鐘

やみくもに炭水化物を減らすのは良くない(C)日刊ゲンダイ

「管理栄養士の計算では、その患者さんの1日の食物繊維摂取量は7・4グラム。18~49歳の女性の理想的な食物繊維摂取量は20~21グラム、男性は26~27グラムなので、かなり低い。これでは腸の内容物を肛門に送り出す大蠕動が起こりにくい。仕事がデスクワークで運動量も少なく、より腸の状態が悪化したのです」

 60代の男性患者は、糖尿病のために朝食は紅茶、昼食は肉類と野菜、間食にナッツ、夕食は焼き魚や焼き肉、野菜炒め、ウイスキーの水割り数杯の生活を半年間続けた。

 すると体重が78キロから65キロまで減少(身長170センチ)したが、同時に腹部膨満感と残便感に悩まされるようになった。

「私が提唱している『停滞腸』を起こしていました。腸の活動が衰え、蠕動運動などがほとんど起こらなくなっていたのです。この患者さんのようなケースは、特に男性で炭水化物の摂取を制限している人に典型的です」

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