何が正しい? “健康にいい”14の嘘

過剰摂取は肝臓に負担 「タンパク質」だけで筋肉は増えない

タンパク質は体にためられない(C)日刊ゲンダイ

 日頃から体に気を使い、運動を怠らず、健康にいいというネタがあれば取り入れる。おかげで世の中には健康情報があふれているが、はたして、何が正しくて何が正しくないのか。本当のところを探ってみた。

■「筋肉を増やすためにタンパク質の摂取を増やす」のウソ

 トレーニングで筋肉を増やすには、タンパク質が必要になる。タンパク質を補給しなければ、筋肉は増えないのは確かだ。

 ただし、タンパク質の摂取を増やせば増やすほど、筋肉が増えるわけではない。横浜創英大名誉教授の則岡孝子氏(栄養学)が言う。

「人間の体には、タンパク質を貯蔵する機能がありません。余剰の分は体外に排出されます。分解されて尿となり、排泄されるのです。このときにフル回転で働かなければならないのが、腎臓です。つまり必要以上にタンパク質を摂取し続ければ、腎臓に多大な負担がかかる仕組み。その結果、腎機能障害を招く恐れが出てきます。タンパク質の取りすぎは、弊害が大きいですね」

 骨も弱くする恐れがある。タンパク質が分解されるときは、血液が酸性に傾く。それを中和させるため、骨のカルシウムが消費されるからだ。

「厚労省は、タンパク質の摂取基準を1日の総エネルギー量の20%までとしています。大事なのはバランスです」

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