梅雨の晴れ間は「盲腸」に要注意 夏場に発症なぜ増える?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「夏場は細菌が繁殖しやすく、虫垂壁の炎症による管腔の狭窄や閉塞で、急性虫垂炎を引き起こすと考えられます。伊万里有田共立病院のデータでは、夏場に目立つのは10~40代の若い層の虫垂炎でした」

 池田医師らの論文では触れられていないが、他のいくつかの論文では気温が高いだけでなく、気圧の低い方が盲腸の発症が多いと指摘している。前出の林院長が言う。

「ヒトの免疫細胞には体内に侵入した細菌や細菌の死骸を食べて掃除する顆粒球と、ウイルスや細菌に感染した細胞を攻撃するリンパ球があります。低気圧で副交感神経が活発になると、顆粒球が活発に働き、大量の酸化酵素が発生します。その結果、消化器内の細胞を傷つけるなどして虫垂炎になると考えられているのです」

 気圧の低いときに目立つのでなく、気圧が高くなる梅雨の晴れ間に盲腸が多くなるのは顆粒球が活発になって盲腸を発症するまでにタイムラグがあるからだ。

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