梅雨の晴れ間は「盲腸」に要注意 夏場に発症なぜ増える?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

“盲腸なんて大した病気ではない”と、甘く見てはいけない。ときに死に至ることもある。

「急性虫垂炎は大きく3つのタイプに分かれます。(1)抗生剤での治療が可能なカタル性(2)膿が虫垂突起のなかに充満した蜂窩織炎性③虫垂組織が壊死して穴があき手術が必要な壊疽性です。(3)のケースは発見が遅れると腹膜炎や敗血症といった重篤な合併症を起こし、亡くなることも珍しいことではありません」(林院長)

■食中毒との違いは“痛みの移動”

 ならば、さっさと手術で切ってしまえばよさそうだが、それも考えものだ。長年、虫垂は無用の長物と考えられてきたが、虫垂が粘膜の免疫に関わる細胞を供給して、腸内細菌のバランスをとっていることがわかってきたからだ。

「腸内細菌のバランスの良さは長寿につながります。以前は婦人科系の手術をする際、症状はなくても盲腸を切る時代がありましたが、いまはそういう風潮はなくなりました」(林院長)

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