新事実が続々判明 「パーキンソン病」は予防可能な時代に

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 パーキンソン病は、ふるえ、歩きづらさ、動きの悪さ、こわばりなどの運動症状を主とする難病だ。ここ数年、新たな事実が判明し、対策がガラリと変わるかもしれない。

 これまでパーキンソン病は、「脳だけの病気」ととらえられてきた。脳にある中脳の「黒質」でドーパミン神経細胞が減少し、神経伝達物質ドーパミンの分泌が減って運動症状のみ出てくるのが、パーキンソン病と考えられてきたためだ。

 脳の前頭葉の神経細胞が減少して発症するアルツハイマー病は、その神経細胞の減少によって前頭葉が萎縮する。

 一方、パーキンソン病は、ドーパミン神経細胞が減少しても、黒質のある中脳は萎縮しない。特異的にドーパミン神経細胞が減少するだけなので、黒質のある中脳の萎縮にまで至らないのだ。

 そのために「脳だけの病気」ととらえられてきたパーキンソン病だが、実は「全身性疾患」だということがわかってきた。大阪大学大学院神経内科学・望月秀樹教授が言う。

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