パーキンソン病は、がんの腫瘍マーカーのような発症のリスクを表す指標がなく、予防的治療は不可能だった。しかし、運動症状より前の症状の中で、特にレム睡眠行動異常症が見られる患者は、その後、パーキンソン病を起こす確率が高いこともわかってきた。
「この研究結果から、どういう人がそうなるのか、パーキンソン病にならないようにするにはどうすればいいのか、という研究が行われています。発症リスクがわかり、予防的治療が行われることも夢ではないでしょう」
前出の「α―シヌクレインタンパクの蓄積でパーキンソン病の発症に至る」ということから、そのタンパクをノックダウンするための薬やワクチンの開発も行われている。
パーキンソン病は、現在のところ根治療法がない。だからこそ、予防で発症を抑えられたら言うことはない。結果が出るのが待ち遠しい。