脱水&疲労で熱中症リスクUP「飲み過ぎた翌日」の乗り切り方

飲みすぎは禁物
飲みすぎは禁物(C)日刊ゲンダイ

 熱中症で倒れる人が急増している。総務省消防庁によると、13~19日の1週間で、熱中症で搬送された人は全国で6165人と前週比で約2倍増。死者は14人だ。連日の猛暑だけに、無理もない。

 冷えたビールをプハ~とやりたくなるが、ベロベロになるまで飲んでバタンキューは危ない。熱中症のリスクが高まる。アルコールには、小便の量を調節する抗利尿ホルモンの分泌を抑えるはたらきがあるからだ。

「飲むとトイレが近くなるのはそのせいで、過度の飲酒は、必要以上に水分を体外に排出してしまう。枯渇に対する感受性が鈍り、水分を欲していることに気づかなくなる恐れもあります。脱水状態から熱中症のリスクが高まるわけです」(東京医大病院循環器内科の桑島巌兼任教授)

 それに飲み過ぎると、アルコールを分解するためにビタミンB1を大量に消費する。ビタミンB1が不足すると、糖質を効率よくエネルギーに変えられなくなり、疲労感とか食欲不振を招く。深酒すると睡眠不足にもなりがちだ。脱水に加えて疲労と、熱中症のリスクがさらに高まるのだ。

「飲み会の翌日は、起きたらすぐにコップ1杯の水を飲んで水分補給。ストレッチなどの軽い運動で体のリズムを整えることで、リスクが下がります」(桑島巌氏)

 ビタミンB1不足は朝食で補いたい。横浜創英大名誉教授の則岡孝子氏(栄養学)が言う。

「ビタミンB1を多く含むのは豚肉ですが、朝食ならハムで。キュウリやトマトは体を冷やす効果があるので、ハムサラダもいい。玄米ごはんに豆腐の味噌汁は水分補給にもなります。日本そばにもビタミンB1が含まれている。枝豆もそうで、ビールに枝豆は理にかなっているのです」

 熱中症搬送された6165人のうち、65歳以上は54%。中高年は用心の上にも用心だ。

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