脅威はデング熱だけじゃない “蚊”が媒介する危険な感染症

2014年はデング熱で大騒ぎだった(C)日刊ゲンダイ

 もっとも危険なものは、ハマダラカが媒介する「マラリア」だ。マラリア原虫は4種類存在し、発症から早期に治療しなければ死に至る場合もある(熱帯熱マラリア)。

 よく知られている感染症だが、日本ではあまり注目されていない。しかし昨年、エボラ出血熱を疑われた帰国者のうち4人がマラリア感染者だったことをみても、渡航者を介して頻繁にマラリア原虫が日本にも入っていることがわかる。

 日本で大流行する可能性は高くないが、衛生環境の悪化によって感染が広がる場合がある。北朝鮮や韓国など近隣国でも流行しているから、注意しておいた方がいい。

■治療や予防法が確認されていない病気も

 アフリカ・南アジアに土着し、近年、アメリカ大陸にも上陸した「チクングニア熱」も、流行の危険性がある。

「チクングニア熱、ウエストナイル熱の媒介蚊であるヒトスジシマカは日本にも生息しています。ウイルス感染者が日本に入り、ヒトスジシマカに刺されれば、蚊は国内でウイルスを獲得します。その蚊を介して、日本人に感染するサイクルが生まれると、デング熱のように夏の間だけ流行する可能性はあります。急性の発熱、関節痛、発疹などの症状が表れます」

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