耳の遠い老人の“聞こえ方”が分かる「ジェロトーク」って何?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■導入したコールセンターで成果アップ

 改めて、「ジェロトーク」の開発者である坂本氏に聞いた。

「加齢性の難聴は、耳せんをつけている状況とは違います。すべての音が小さく聞こえるのではなく、高い周波数の音域が聞こえづらくなったり、言葉の違いが聞き分けられなくなるのです。それを理解した上で、コールセンターの高齢者向け電話対応をしたところ、リピート率が顕著に高まる傾向がありました」

 コールセンターでは、数をこなすためについつい早口になりがち。しかし、ゆっくり話した方が老人の理解が早まり、1件当たりの処理時間は逆に短縮したという。

 企業が使って効果が出ているのなら、介護や医療の現場、田舎の老親との会話に役立たないわけがない。

■ゆっくり、はっきり、大声はダメ

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