水虫で下肢切断も 糖尿病患者・予備軍は夏こそ「フットケア」

たかが水虫と侮ることなかれ(C)日刊ゲンダイ

 爪白癬があるなら、内服薬での治療になる。足白癬以上に治療期間は長く、完治には1年以上。根気が必要だ。

 次に、靴対策。

「足の病変は7割以上が靴ずれが誘因。なぜか“爪先が狭く、余裕のない靴”を履いて外来を受診する人が糖尿病患者さんに多い。こういった靴は足を圧迫して循環障害を来し、長時間履くことで、潰瘍ができやすくなります」

 中敷きが取り外せて洗え、柔らかいストレッチレザーの靴など、圧迫を軽減できるものを。甲の部分を紐で調整でき、靴の裏の革もフェルト素材などで柔らかいものがベスト。足の甲にフィットしたサイズにする。

 靴下をはかずに靴を履く人もいるが、足の損傷を防ぐために避ける。通気性のよい綿かウールの靴下をはくといい。

「『フットケアより甘い物を食べたい』という患者さんもよくいらっしゃいますが、壊疽になると、元の健康な足(なにもなかった状態)には戻れません。後悔しても遅い。“症状がないから大丈夫”という考えは、糖尿病患者さんには通用しません」

 基本のフットケアをしっかり実行しよう。

3 / 3 ページ

関連記事