では、なぜ、感染者数が増加しているのか。国立感染症研究所が公表している2001~2014年の感染者報告数の推移を見ると、とりわけ2012年以降に際立って急増しているように見える。現代の梅毒はほぼすべて、性的接触感染、つまりセックスによるもの。そこで、国立感染症研究所感染症細菌第一部・大西真部長に次の質問をぶつけてみた。
★特にこの数年で、性行為がアクティブになる(それによって梅毒が増える)ような事象があったのか。
★ペニシリンでは効かない“新型梅毒”が現れたのか。
「過去にも増えたり減ったりしている時期がありましたが、それがなぜなのか、昨年の感染者数が過去10年で最高になったのはなぜなのか、はっきりとは分かっていません。性行為に関する話はセンシティブな問題なので、そこまで調査ができていないのです。ただし、ペニシリンでは効かない梅毒は現れていませんし、梅毒は何度再感染・発症しても、ペニシリンで治ります」