リザーバーはリンパ節、神経系、肺などにあり、抗HIV薬を投与している間はウイルスは眠っていますが、投与を中止すると再び新たな血液中の細胞に感染する可能性があるといわれています。
そこでペーシェンスさんが考案したのは、歯科治療などで使われているレーザーを利用し、ウイルスのリザーバーに直接抗HIV薬を投与する方法。HIVに感染した細胞にレーザーで小さい穴を開け、穴が閉じるまでの一瞬に薬を注入するというアイデアは、今はまだペトリ皿上の実験段階です。しかし、「もし将来実用化されれば、HIVの完全な治癒も夢ではない」とペーシェンスさんは語っています。
▽シェリーめぐみ ジャーナリスト、テレビ・ラジオディレクター。横浜育ち。早稲田大学政経学部卒業後、1991年からニューヨーク在住。
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