治療で大事なのは薬選びより早期発見 「緑内障」の正しい知識

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「明記された基準はありませんが、一番大事なのは、患者さんが将来、生活に困らない目の状態を維持することです」

 緑内障の症状は、視野欠損。視界に見えない部分が出てきて、症状が進むとそれが拡大する。当然ながら、生活に支障が出る。

「緑内障治療の目標は、視野欠損の進行を防ぐこと。ただ、眼圧も正常で、通常の視野検査でほとんど異常が見られず、正常眼圧緑内障と診断するかどうかという微妙な段階でも、真ん中の視力から落ちてきやすいタイプがあります。これは眼底検査でわかるのですが、このタイプは、将来のことを考えて、早く治療をスタートします。こういった患者の多くは『強度近視』の方です」

 真ん中の視力が落ちると、その程度は小さくても、生活の質が著しく下がる。

 日本人の緑内障のリスクファクターは、岐阜県の大規模調査から、年齢、眼圧、近視の強さ。近視の強さは視力ではなく、「マイナス3D」「マイナス6D」といった表記をする「度数」で判断する。度数は視力検査などで測定しているので、近視の人は度数がどれくらいかを確かめた方がいいだろう。

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