私の患者さんで、こんな方がいました。アラフォー美人で、キャリアウーマンの浜田伶子さん(仮名)は、5年前に左乳がんと診断されました。「乳房温存療法」は成功したのですが、背骨に転移が見つかり、その激しい痛みから一時は仕事を辞めようと思われたそうです。
しかし、緩和ケア医と相談しながら、抗がん剤の投与と並行して「緩和ケア」を行ったところ、痛みは完全に消えて、仕事に復帰。今でも、治療を続けながら仕事に励み、今年からは部長に昇進されたことを喜んでいらっしゃいました。
成功例はこのケースに限ったことではありません。緩和ケアとは、病気に伴う心と体の痛みを和らげることが主眼で、医学的に確立された治療です。このような治療をしっかり受ければ、痛みや心のつらさが軽くなったり、消えたりして、体調全体がよくなります。浜田さんのように仕事にヤル気が出るだけでなく、心理的な負担が軽減されて、周りの人にも優しく接することができるように。日常生活のメリットは計り知れません。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁