真似したい伝承療法

沖縄県のモーウイ

沖縄県のモーウイ(C)日刊ゲンダイ

 沖縄でキュウリといえば、モーウイを思い浮かべる人は少なくない。

 モーウイは沖縄の伝統的な農産物で、赤毛瓜とも呼ばれる。キュウリの一種だが、フランスパンのバケットのような形をしており、とてもキュウリには見えない。

 それどころか、お世辞にもおいしそうには見えないが、実は味も栄養価も野菜の優等生なのだ。

 沖縄県出身で千葉県在住の自営業、山里隆弘さんはこう話す。

「シャキシャキした食感なのでサラダにするとおいしいし、炒め物にしてもイケます。食欲がないときでも、モーウイなら口に入りますね」

 栄養価はビタミンCとカリウムを豊富に含むのが特徴だ。

 ビタミンCは、ストレスに対抗する力をつくる頼もしい存在。ストレスが生じると、抗ストレスホルモンのアドレナリンが分泌され、体内のエネルギーは増産される。ビタミンCは、このアドレナリンの産生を促進してくれるのだ。

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宮岸洋明

宮岸洋明

1965年、石川県生まれ。出版社勤務後、95年、健康ライターとして独立。以来20年、健康雑誌などで取材・執筆活動を開始。本連載では、世界的な長寿国である日本の伝承料理がテーマ。「健康長寿の秘訣は“食”にあり」をキーワードに、古くから伝えられてきた料理や食材を実食し、その栄養価、食味や調理法を紹介。筆者自身も、約1年前から数々の伝承料理を食べ約20キロのダイエットに成功。メタボを脱出し、健康診断もオールA。