真似したい伝承療法

和歌山県の塩梅

和歌山県の塩梅(C)日刊ゲンダイ

 梅の生産量日本一を誇る和歌山県。その代表的な名産品「梅塩」が大人気だ。

 会社員の山口幸雄さんは、和歌山県の物産展でたまたま梅塩を購入。肉や魚料理などに使い、今では手放せないと絶賛している。

「とても酸っぱいですが、料理の味を引き立ててくれます。また、梅塩を使うようになってから、疲労の回復速度が速くなったような気がします」

 梅塩の作り方はこうだ。まず、和歌山県産の完熟南高梅を自然塩に漬け込む。30日ほどで有機酸を含んだ梅酢が完成し、その梅酢をもとにして梅塩が作られるという。

 なるほど、作り方を聞いただけでも、その酸っぱさが伝わってくる。その酸っぱさのもとである梅のクエン酸は体に大きなメリットをもたらす。

 クエン酸は、体に取り入れた栄養素からエネルギーを作る。そのため、元気に動くことができ、疲労の蓄積の軽減も十分期待できる。

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宮岸洋明

宮岸洋明

1965年、石川県生まれ。出版社勤務後、95年、健康ライターとして独立。以来20年、健康雑誌などで取材・執筆活動を開始。本連載では、世界的な長寿国である日本の伝承料理がテーマ。「健康長寿の秘訣は“食”にあり」をキーワードに、古くから伝えられてきた料理や食材を実食し、その栄養価、食味や調理法を紹介。筆者自身も、約1年前から数々の伝承料理を食べ約20キロのダイエットに成功。メタボを脱出し、健康診断もオールA。