宮城県栗原市で生産されている川口納豆。65年の歴史を持つ老舗だ。
ここでは、近代納豆製法の基礎を確立した「盛岡高等農林学校(現岩手大学農学部)」の故・村松舜祐博士の製法を今も忠実に守っている。
元来、納豆は稲わらに付着していた納豆菌が大豆に移り、それが発酵することで作られた。ただ、稲わらには納豆菌以外の菌も生息しているため、味にばらつきが出る。
だが、村松博士は納豆菌だけを純粋培養することに成功し、品質の均一化を成し遂げたという。
納豆には目がないという、自営業の伊藤大輔さんはこう話す。
「軟らかいけど歯ごたえがあり、後口に香ばしさが残ります。おいしいだけでなく、この夏の猛暑を元気に乗り越えられたのも、納豆のおかげだと実感しています」
納豆の栄養価の高さは広く知られているが、中高年男性の体が喜びそうなものもたくさんある。
まず、亜鉛はタンパク質の合成を促進し、新しい細胞をつくる働きがある。皮膚や粘膜の健康維持にも欠かせず、男性機能とも深い関係にある。
ビタミンB群は糖質や脂質の代謝を促進し、疲労を防ぐ効果が大。
さらに、納豆に含まれるポリアミンという成分は動脈硬化を防ぎ、老化も抑えてくれるという。
川口納豆はまんべんなく発酵させるため、紙容器に入っている。そのせいか香りがよく、そのまま食べるのがおすすめだ。
昔ながらの納豆で忙しい現代を生き抜こう。
真似したい伝承療法