真似したい伝承療法

静岡県のべにふうき茶

静岡県のべにふうき茶
静岡県のべにふうき茶(C)日刊ゲンダイ

 日本一の茶の生産量を誇る静岡県。さまざまな茶が作られているが、“べにふうき茶”もそのひとつ。

 べにふうき茶というと、花粉症で悩む人たちから支持されていることで有名だ。50代の会社員の水沢貴仁さんもそのひとり。

「2年前から飲んでいます。花粉症も楽になりましたが、気のせいか、ぜい肉もつきにくくなったように思えるんです」

 あまり知られていないが、べにふうき茶に含まれるメチル化カテキンは脂肪の合成を抑制する作用がある。そのため、脂肪が蓄積しにくくなるのだ。

 また、血圧を気にしている人にとっても、メチル化カテキンは頼れる存在になるかもしれない。

 アンジオテンシンⅡという物質は、血圧を上げる働きがある。このアンジオテンシンⅡは、アンジオテンシン変換酵素(ACE)によって、アンジオテンシンⅠから作られる。

 しかし、ACEの働きを阻害すれば、アンジオテンシンⅡは作られることなく、血圧が上がることもない。

 実は、べにふうき茶のメチル化カテキンは、ACEの働きを阻害するといわれているのだ。

 そのほか、前述したように花粉症などのアレルギー症状を抑えることなどが明らかになっている。

 現在のところ、メチル化カテキンを多く含むものは、べにふうき茶以外、あまり見当たらない。

 香りもよく、味にクセもないので、毎日飲んでも飽きないだろう。朝茶は福が増すといわれるが、べにふうき茶は健康を増進しそうだ。

宮岸洋明

宮岸洋明

1965年、石川県生まれ。出版社勤務後、95年、健康ライターとして独立。以来20年、健康雑誌などで取材・執筆活動を開始。本連載では、世界的な長寿国である日本の伝承料理がテーマ。「健康長寿の秘訣は“食”にあり」をキーワードに、古くから伝えられてきた料理や食材を実食し、その栄養価、食味や調理法を紹介。筆者自身も、約1年前から数々の伝承料理を食べ約20キロのダイエットに成功。メタボを脱出し、健康診断もオールA。