かぶの旬といえば、冬。しかし、青森県の野辺地町では、初夏から秋にかけて名産品の“葉つきこかぶ”が栽培されている。
昨夏、青森県を旅行中、偶然、葉つきこかぶを知ったという会社員の池口直也さんはこう話す。
「夏が旬だというかぶは初めて食べました。地元の人が言うには、これが夏を乗り切る元気のもとだとか。生で食べることにも驚きましたが、とてもおいしかったですね」
なぜ夏に栽培できるかというと、梅雨明け後に吹く、“ヤマセ”と呼ばれる東風にその秘密がある。
ヤマセは冷たく、ほかの農作物にとっては敵になるが、こかぶにとっては問題ない。それに目をつけた野辺地町はこかぶの栽培に乗り出し、今では青森の重要な特産物のひとつになっている。
地元の人に食されている葉つきこかぶは、葉も実も栄養価が実に高い。
葉には免疫力を高めるβカロテンや、抗酸化作用のあるビタミンCが豊富に含まれている。糖質や脂質の代謝を促進し、疲労回復に役立つビタミンB群が多いのも心強い。
実の部分には、消化を助けるジアスターゼが多く、胃腸の働きを活発にして食欲を増進させる。カリウムも豊富なので、余分なナトリウムを排出してくれるはずだ。
食べ方だが、実の部分は手で皮をむき、生のままかぶりつくのがおすすめ。思いのほか甘く、とてもジューシーだ。
葉は味噌汁の具などいろんなものに応用できる。
葉つきこかぶの株はますます上がりそうだ。
真似したい伝承療法