真似したい伝承療法

山口県のビワ茶

山口県のビワ茶
山口県のビワ茶(C)日刊ゲンダイ

 瀬戸内海に浮かぶ、山口県の祝島。古くから農業が盛んで、中でもビワは島を代表する特産品の1つだ。

 ビワの葉は栽培途中で剪定されるが、それを有効利用し、“ビワ茶”が作られている。しかも、祝島のビワは、ほとんどが農薬に頼ることなく作られているから安心だ。

 近年、健康によいからと、ビワ茶が注目されているが、祝島では昔から島民の間で飲まれていた。

 今では通販などでも入手でき、祝島産のビワ茶ファンは全国に広がっている。1年前、自然食品店でビワ茶を購入して以来、なるべく飲み続けているという、会社員の渡辺修一さんもそのひとり。

「祝島産のビワ茶は、ビワの香りが口に広がり、あとから、ほんのりとした甘味が伝わってきます。また、これを飲むようになってから胃腸の調子がよくなり、夏バテもしなくなりました」

 東洋医学的に見ると、ビワの葉には健胃、滋養強壮などの作用があり、暑気あたりにもよいという。マグネシウムやカルシウム、カリウム、亜鉛など、含有ミネラルの種類が豊富な点も見逃せない。

 また、サポニンやタンニンが含まれていることも大きなメリットだ。

 サポニンは脂質の吸収を抑制し、肥満防止に役立つ。血中の悪玉コレステロールを低下させるので、動脈硬化の予防も期待できそうだ。

 タンニンは生活習慣病の元凶といわれる活性酸素の害を抑えてくれる。

 まさに、健康を祝ってくれそうな優れた成分が豊富なお茶だ。

宮岸洋明

宮岸洋明

1965年、石川県生まれ。出版社勤務後、95年、健康ライターとして独立。以来20年、健康雑誌などで取材・執筆活動を開始。本連載では、世界的な長寿国である日本の伝承料理がテーマ。「健康長寿の秘訣は“食”にあり」をキーワードに、古くから伝えられてきた料理や食材を実食し、その栄養価、食味や調理法を紹介。筆者自身も、約1年前から数々の伝承料理を食べ約20キロのダイエットに成功。メタボを脱出し、健康診断もオールA。