世界有数の温泉湧出量を誇る大分県の別府八湯。その中でも、最も標高が高い場所に位置するのが「明礬温泉」だ。
自然が豊かで、秘湯気分も味わえることから人気も高い。それにも増して好評を博しているのが、明礬温泉の“湯の花”だ。
湯の花とは、温泉成分が結晶化したもので、ミネラルの宝庫ともいえる。豊かな効能を誇り、入浴剤のエース的存在だ。
「特に明礬温泉の湯の花は最高ですね。体の芯から温まるのはもちろんのこと、肌もスベスベした感じになります」と話すのは、大の温泉マニアの会社員、市川和彦さん。
湯の花は、湯の花小屋と呼ばれるわらぶき小屋で作られている。これは世界的にも珍しいという。
湯の花小屋の中は、地面に青粘土が敷き詰められていて、その青粘土の下から温泉ガスが噴出している。温泉ガスと青粘土が反応することで、湯の花の結晶ができる。
こうした湯の花作りの技術は江戸時代から受け継がれており、2006年には国の重要無形民俗文化財に指定された。
前置きが長くなったが、明礬温泉の湯の花の入浴剤を使ってみた。まず感じたのは、なめらかなお湯になり、肌に優しいこと。血行促進効果も実感。ローズの香りが配合されているものを使ったせいか、ゴージャスな気分にもなった。
効能としては神経痛や肩こり、腰痛、疲労回復などが挙げられている。
江戸時代から伝わる湯の花で温泉気分も満開だ。
真似したい伝承療法