医療用語基礎知識

【受診時定額負担】財布と症状の軽い患者は大病院から追い出される

(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 そこで、新しい制度の登場となったのです。今回の対象は、大学病院等と500床以上の大病院。紹介状を持たない患者から、「受診時定額負担」と呼ばれる追加料金を徴収することを法律で義務付けています。金額はこれから決まりますが、5000円から1万円といわれています。「定額」ですから全国一律。病院の判断で金額を変えることはできません。また「義務化」するため、紹介状を持たずに大病院に行くと必ずこの金額を徴収されることになります。

 それだけではありません。病院側が他の病院や診療所を紹介すると申し出たにもかかわらず、継続して通院を希望する患者には、再診のたびに受診時定額負担金を徴収することが義務付けられるのです。

 いまの制度でも、同様の条件で再診時に選定療養費を取っていい規則になっています。病院によっては、数百円から千円ほどを徴収しているところもあります。しかし、その程度の負担なら安心できる大病院を、とそのまま通院を続ける患者も少なくありません。

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やなぎひさし

やなぎひさし

国立大学理工学部卒。医療機器メーカーの勤務を経てフリーへ。医療コンサルタントとして、主に医療IT企業のマーケティング支援を行っている。中国の医療事情に詳しい。