断酒すべき理由は、第1に、向精神薬をアルコールと併用した場合の安全性を保証できないという点。第2は、アルコールが徐波睡眠(深い睡眠)の量を減らし、結果として、うつからの回復に必要な睡眠の質を損なうという点です。
斎藤さんの主治医は、お優しい方のようです。だから、お酒好きの斎藤さんに厳しいことをおっしゃらなかったのでしょう。でも、「飲むな」という薬剤師の意見の方が正しいのです。
そもそも、毎日お酒を飲んでいる斎藤さんに、抗うつ薬は投与すべきではなかった。「クルマ乗るなら酒飲むな、クスリ飲むなら酒飲むな」です。
車で帰ることがわかっている客に居酒屋の店主は酒を勧めてはいけないように、酒を飲むことがわかっている患者に医師は抗うつ薬を処方してはいけません。
薬の前に酒を減らしましょう。薬は断酒に成功してからでいいでしょう。
薬に頼らないこころの健康法Q&A