耳鼻科の病気

突発性難聴はめまいを繰り返さない

 突発性難聴は、副症状として、耳鳴りやめまいがありますが、めまい発作を繰り返すことはないといわれています。

 発症の前に耳鳴りやめまいを起こすことがありますが、その後、難聴がなければ突発性難聴とはいえません。診断では低音の難聴が起きるメニエール病の急性期難聴との鑑別が重要となります。

 治療法は、今までいろいろな薬が試されてきましたが、医学的に確立されたものはありません。まずは安静が一番でしょう。

 難聴の程度にもよりますが、軽度の場合は会社を早く切り上げたり、必ず定時に帰るようにしてもらっています。飲み会の参加は当然なし。

 中等度以上の場合は、やはり入院をまず勧めています。入院すると精密検査もできますし、入院という、いわば社会から一時隔絶された状態にすることで、ゆっくりと寝て、体も心も安静となると、私の経験上、治りも早いような気がします。

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大場俊彦

大場俊彦

慶應義塾大学大学院博士課程外科系終了。医学博士甲種日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本レーザー医学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会フェロー。国際レーザー専門医。厚生労働省補聴器適合判定医・音声言語機能等判定医。日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴判定医・補聴器相談医。