医療数字のカラクリ

パーセンタイルで見えてくるもの

(C)日刊ゲンダイ

 あなたが55歳で残っている歯の本数が20本だとします。これは同じ55歳100人を歯の多い順に並べて、75番目だった場合、あなたは「75パーセンタイル」ということになります。この意味は20本以上の人が75%いて、自分より多く歯が残っている人が圧倒的に多いというわけです。

 平均値、中央値、さらにはパーセンタイルといういろいろな指標でかぜの治癒期間を眺めてみると、さまざまなことが見えてきます。かぜの治癒期間が平均4日といわれているのに、11日間も治らないとびっくりします。しかし、かぜの治癒期間の90パーセンタイルが3週間と聞けば、少しは安心できるのではないでしょうか。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」院長、「CMECジャーナルクラブ」編集長。自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員。臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「検診や治療に疑問を感じている方! 医療の現実、教えますから広めてください!!」(ライフサイエンス出版)、「逆説の長寿力21ヵ条 ―幸せな最期の迎え方」(さくら舎)ほか。