今押さえておきたいがん治療

去勢抵抗性前立腺がん治療が前進 新薬カバジタキセルの実力

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 従来薬と比べ、死のリスクもある副作用「好中球減少症」の発症頻度が高い。そこで、医師が初回投与時に好中球減少症の出現パターンを確認し、症状が出たら速やかに抗菌薬を投与する。場合によっては予防に役立つ薬剤の投与を行う。さらに、患者には施行時の注意事項をよく説明する。

「好中球が減少している間には、食事はよく加熱する。寿司や生野菜などは控えたほうがいいでしょう。手洗いを徹底し、皮膚や口腔内を清潔に保つ必要がありますが、思いきり洗うと皮膚に傷がついて菌が入る。現場の医師にはこれらの指導をなかなかできないので、看護師や薬剤師の役目が重要になります」

 世界では、従来薬ドセタキセルを決まった期間だけ使い、カバジタキセルに移行する。しかし日本では、従来薬の投与に期限はない。だから、どこで従来薬をやめ、カバジタキセルを投与するか、そのタイミングが重要なポイントになる。

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