大腸がんから肺への転移が見つかったSさん(60)は、現在、抗がん剤治療を受けています。私の薬局に来たのは、「副作用を何とかできないか」という相談でした。
皮膚疾患がひどく、顔面が真っ赤になっていて、湿疹が一面に広がっています。頭皮にもカサブタができていました。
「吐き気などは病院から処方された薬でなんとかなったのですが、湿疹はどうにもならなくて。フケのようなものが出てくるし、見た目が気になって、それがストレスになっているんです」(Sさん)
まず選んだのは、五苓散です。嘔吐、下痢、むくみ、頭痛などの不調がある時に使う漢方薬で、一般的には、アトピー性皮膚炎や膀胱炎、二日酔い、慢性的な頭痛といった症例に適応されます。
次に、柴胡清肝湯も選びました。炎症を和らげ、血行をよくする働きがあり、さらに神経の高ぶりを鎮めます。アトピーやアレルギー性の皮膚トラブル、ニキビなどによく使います。
漢方達人をめざせ!