血行促進、疲労軽減効果も 「機能性下着」で健康になれるのか

ワコール「アンダーウェア バイ CW-X」
ワコール「アンダーウェア バイ CW-X」(提供写真)

 毎日、何も考えずに身に着けている下着が、「機能性下着」として驚くほど進化を遂げている。

 自分の体温を逃さず、汗を利用して発熱する保温性の高いユニクロの「ヒートテック」、汗をすぐに乾燥させ、涼しさを感じる「エアリズム」(同)などの「体感型インナー」は一般にも浸透しているが、中には健康をサポートしてくれる高性能インナーも発売されている。

「コンプレッションウエア」と呼ばれるタイプは、筋肉や関節の動きをサポートして運動パフォーマンスを向上させたり、血行を促進したり、疲労を軽減させたりする。ワコールが開発した草分け的存在の「CW─X」をはじめ、「ミズノ バイオギア」「ナイキプロ」「アンダーアーマー」などさまざまなメーカーがしのぎを削っている。マラソン大会に出場する市民ランナーや登山家には、ポピュラーなインナーだ。

「リカバリーウエア」タイプは、休養している時に体の回復を促進し、疲れを残さないようにサポートしてくれるもので、「ベネクス」から発売されている。

 これらのタイプは、どちらかというと日頃からしっかり体を動かしているアスリート向きといえるが、日常生活のちょっとした運動をサポートするワコールの「アンダーウェア バイ CW-X」(写真)が発売された。

 同社クリエーティブディレクターの三宅譲氏は言う。

「スポーツ界では当たり前になっている『テーピング』の原理を取り込み、大きな衝撃を受ける股関節やひざをサポートしたり、肩甲骨の可動域を広げて腕や肩を動きやすくする下着です。シャツとタイツがあります。専門家とともに人間の動きを分析し、筋肉の流れに沿ってサポートしているので、ケガを予防し、疲労を軽減して、体を効率的に動かせるように導きます。本格的なスポーツ用のタイプよりも、締め付け感を緩め、肌触りを良くしつつも、必要最低限のテーピングサポート機能を備えています」

 生活習慣病やロコモ予防には、通勤、散歩、オフィスワーク、外回り、家事など、日常でなるべく体を動かすことを意識するのが効果的だといわれている。

 体にかかる負担を軽減し、動きをサポートしてくれる機能性下着を日頃から身に着ければ、健康寿命を延ばすことにつながるはずだ。