神奈川県立がんセンターの重粒子線治療施設「iROCK」が今年12月のオープンを待たずして崖っぷちに立たされている。
今夏、日本放射線腫瘍学会が厚労省に求められていた、「粒子線治療が既存がん治療法に比べて優位とするデータ」について、「一部がんについてのデータは集められなかった」と報告したからだ。
「現在、重粒子線治療は特例で混合診療が認められる先進医療Aの扱いを受けています。ところが、今回の学会報告により“重粒子線が行うがん治療の一部が先進医療から外される”との見方が広がっているのです。とくに“一部がん”に前立腺がんが含まれているため、“重粒子線治療施設の運営が成り立たなくなる”と噂されています」(神奈川県の医療関係者)
実際、日本初の重粒子線治療施設である、放射線医学総合研究所(千葉県、通称・放医研)の前立腺がんの登録患者数は24.9%とダントツに多い。他の重粒子線治療施設も同様で、前立腺がんの患者が、重粒子線治療を支えていると言っても過言ではない。神奈川県議会の関係者が言う。
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