役に立つオモシロ医学論文

運動で風邪は予防できるか

(C)日刊ゲンダイ

 風邪の発症については4研究の統合解析(解析対象281人、平均32.8~60.9歳)が行われ、運動した人たち134人中50人が発症、運動しなかった人たち147人中75人が発症し、運動をした人たちで27%統計的にも有意に減少しました。

 また、風邪の罹病日数については3研究の統合解析(解析対象166人)が行われ、各研究間にばらつきがあるものの、平均3.5日ほど少ないという結果になっています。

 解析の対象となったランダム化比較試験の結果の妥当性はあまり高くなく、症例数も少ないため、やや結果を過大に評価している可能性もあり、明確なところは不明ではあります。しかし、普段運動不足の方が、積極的にウオーキングなどに取り組むと風邪予防に効果があるかもしれません。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。