Q
昨年末に僧帽弁閉鎖不全症と診断され、経過観察中です。しかし、いつ発作が起こるか不安なので、すぐに手術を受けた方がいいのではないかと考えています。まだ手術は受けない方がいいのでしょうか。(75歳・女性)
A
心臓にトラブルがあると診断され、心臓エコーやCTなどで素人目にもわかる異常な部分を指摘されると、「すぐにでも命に関わるような事態を招くのではないか……」と不安に思う患者さんはたくさんいます。
しかし、心臓病は多くの場合、いきなり手術や高度な治療を行う必要性は少ないといえます。病変があったとしても、心臓自体の機能を損なう場合や、胸痛、息切れ、動悸といった自覚症状が出て生活に支障を来すまでは“待てる”ことが多く、定期的な再検査や投薬などの初期治療で、ワンクッション置ける“余裕”があるケースがほとんどです。まずは経過観察をして、自覚症状が出てきたら手術を検討するものだと考えていいでしょう。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」