10年前から心房細動を患っていた知人も、カテーテルアブレーションを受けて完治し、とても喜んでいました。1回目のカテーテルアブレーションで効果がなくても、2回目、3回目の実施で効果が確実になる患者さんもたくさんいます。近い将来には、血栓防止の治療も同時に行うことで脳梗塞の不安解消効果が格段に高まり、心房細動は完治する可能性が比較的高い病気に変わると考えていいでしょう。
ただし、カテーテルアブレーションは、治療時の出血以外に術後に合併症を起こすリスクがゼロではありません。いちばん厄介なのが「房室ブロック」という合併症です。心房と心室の間にある正常伝導路を傷つけてしまった場合に発生し、重篤な場合はペースメーカーを埋め込む治療が必要になります。
投薬治療だけで問題ない状態をずっと維持できている患者さんはたくさんいます。しかし、薬の副作用などに不安を感じ、ずっと悩み続けるくらいなら、そうした合併症のリスクを受け入れて、積極的にカテーテルアブレーションを行うことを考えた方がいいかもしれません。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」