天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

気温や気圧の対応で心臓に負担がかかる


 3年前に狭心症と診断され、経過観察中です。季節の変わり目になるとキリキリした痛みを感じることがあり、不安に思っています。気を付けるべきことはありますか?(70歳・男性)


 気温や気圧といった気象環境の変化に対しては、血圧が大きな影響を受けます。血圧が急激に上がったり下がったりすることは心臓に大きな負担をかけるため、さまざまな心臓病のリスク要因になっています。

 たとえば、厳しい暑さが続いていたのに急に気温が下がって涼しくなると、われわれの体は血管を収縮させて流れる血液量を減らし、熱を体外に逃さないようにします。血管が縮んで細くなると、ポンプの役割がある心臓は大きな力で血液を送り出さなくてはなりません。そのため血圧が上がり、それだけ心臓の負担が増えるのです。

 逆に、気温が上がると体温も上昇するため、体温を下げるために血液の循環を促進し、熱を発散させようとします。心臓はフル回転するので、心拍数が増えて負担がかかるのです。

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天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。