電池の寿命は、かつては5年程度でしたが、最近は7~10年はもつようになりました。ご質問のように15年間で4回の入れ替えを行っているとなると、おそらくリードのトラブルによるものだと考えられます。
リードは非常に細いので、単に1本の導線のみでは心臓の拍動による影響ですぐに傷んでしまいます。そのため、細い線をらせん状にして強度を高め、外側をシリコーン製の絶縁体で覆ってあります。リードが2本ある双極タイプは、そのリードの外側に2本目のリードをらせん状に巻き、さらにシリコーンで覆ったものが一般的です。
ペースメーカーを埋め込む際、リードを固定するために糸をギュッと締め過ぎるとリードを覆ったシリコーンが破れ、そこから血液がジワジワ浸入して金属製のリードが腐食してしまい、機能しなくなるケースがあります。また、2本のリードの間にあるシリコーンの量や材質に問題があると、リードがショートしてアッという間に電池が消耗してしまいます。かつては、断裂しやすいリードを使っているメーカーもありました。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」