天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

先天性心疾患の手術痕が不整脈の原因


 5歳の頃に心室中隔欠損症の手術を受け、完治してからはずっと問題ありませんでした。しかし、40歳を越えてから、息切れや動悸などの症状が出始めています。しっかり治療したほうがいいでしょうか。(41歳・男性)


 生まれつき心臓に異常がある病気を「先天性心疾患」と呼んでいます。たくさんの種類があり、ほとんど治療をしないで治るものもありますが、手術が必要になるケースも少なくありません。

 先天性心疾患の中で、比較的頻度の多いものは、「心室中隔欠損症」(心臓の中の左心室と右心室の仕切りに穴が開いている)、「心房中隔欠損症」(心臓の中の左心房と右心房の間の仕切りに穴が開いている)、「肺動脈狭窄症」(心臓と肺をつなぐ肺動脈が狭くなっている)、「動脈管開存症」(生まれてすぐに閉じるはずの動脈管が開いたままになっている)、「ファロー四徴症」(心室中隔欠損症、肺動脈狭窄症、大動脈右方転位、右心室肥大の4つが合併している)といった病気です。

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天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。