心房細動になると、心拍出量が正常な脈拍の2~3割程度落ちるといわれています。動悸、息切れ、思ったように体が動かせなくなるなどの自覚症状があれば、循環器内科を受診してください。
もうひとつ、睡眠時無呼吸症候群(SAS)による不整脈も増えてきています。夜、寝ている間に何回も呼吸が止まる病気で、心臓、脳、血管に大きな負担をかけます。そのため、昼間に心房細動が起こりやすくなるのです。
SASの傾向があると指摘されていて、昼間に動悸がある、疲れやすい、脈が速くて息が切れるといった症状がある場合は、まずSASの治療が必要です。就寝する際、鼻にマスクを装着して空気を送り込むCPAP(シーパップ)という治療を行うと、昼間の動悸が治まって、症状が落ち着くケースが多くみられます。すでに不整脈などの症状が出ているSAS患者さんの中には、CPAPがないと怖くて旅行も出張もできないという人もいるほどです。
自覚症状によって日常生活の質が落ちたと感じた時が、不整脈の治療を始めるタイミングになります。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」