再発を恐れて動けなかった患者さんの心の扉の鍵を開けたのは「心臓リハビリ」です。地道にコツコツとリハビリに取り組んだことで、徐々に自信を取り戻していったのです。
手術が成功し、日常生活に戻るまでには心臓リハビリが非常に重要です。かつては、術後1週間近くは集中治療室で安静にするのが当たり前でしたが、それでは筋力、呼吸機能、体力が衰え、日常生活に戻るまでに時間がかかります。そのため、一般的には手術の翌日からベッドを離れ、2~3日で病棟内を歩き回るリハビリを開始するようになりました。
退院後も心臓リハビリを続けることは大切です。リハビリを行うと、心筋梗塞の再発を防げることも分かっています。怖がって安静にしているより、体を動かすことが重要なのです。術後、半年間は健康保険が適用されるので、その間は続けるのが望ましいでしょう。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」