天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

治療実績を公表しているかチェック


 かかりつけのクリニックで大学病院を紹介され、受診を勧められました。信頼できる施設なのかどうかを見分ける方法はありますか?(69歳・男性)


 病状が悪化するなどした場合、かかりつけ医から、より専門的で高度な検査・治療ができる大学病院や総合病院を紹介されるケースがほとんどです。

 その際、紹介された病院が安心して治療や手術を任せられるところなのか。患者さんにとっては初めて訪れる病院なわけですから、不安に思うのも当然です。

 いちばん簡単で確実に判断できる方法は、紹介された病院のホームページを調べてみて、治療実績=手術実績を公開しているかどうかをチェックすることです。どんな内容の手術をそれぞれ何件手がけ、死亡率はどれくらいなのかというデータをしっかり公表しているかどうか。その数字が他の病院と比べて高いレベルであれば、信頼できる病院といえます。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。