そうなれば、本当に入院が必要なケースはどんな状態なのかを見極める医師の責任は重くなります。入院だけで経過観察という形がなくなり、本当に入院が必要な患者さんに、より高度な医療を提供するようになるのです。同時に、患者さんの側も“とりあえず入院”ができなくなるため、1次予防に気を付けるようになるでしょう。
病院の“すみ分け”をはっきりさせ、無駄な入院を減らしていくためには、手術を担当する外科医が、退院後のケアを担ってくれる医療機関や医師を患者さんに紹介することも求められます。
最近、術後に外来で当院を訪れる高齢の患者さんに目立つのが圧迫骨折です。老化によって骨粗しょう症が進み、尻もちや、くしゃみといった少しの衝撃で、脊椎が変形してしまいます。場合によっては、寝たきりになったり車いす生活を余儀なくされるきっかけになってしまうので、予防に努めなければいけません。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」