そんな時、「多重焦点コンタクトレンズ」に出合ったのです。遠近両用のハードタイプで、中心も手元も視線を移動させなくてもよく見えるようになりました。
この“秘密兵器”を知ったのは、NHKの「ここが聞きたい!名医にQ」(Eテレ)という番組に出演した時のことでした。私より6歳も年上で、当時、アナウンサーだった古屋和雄さんがメガネもかけずに番組の台本を読んでいました。何げなく「メガネも必要ないなんて、目がいいんですね」と声をかけると、実は多重焦点コンタクトレンズを使っていることを話してくれたのです。
そのレンズについては、以前にも同級生の眼科医から「年をとったら使ってみるといい」と勧められていました。「これだ!」と思い立ち、翌日さっそく街のメガネ店を訪れ、多重焦点コンタクトレンズを作りました。
合わない人もいるのですが、私には驚くほどばっちりハマりました。老眼に悩むことなくはっきり見えていた頃よりも、手術の精度が上がったと実感できるほどでした。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」