心臓リハビリの基本は「歩く」ことです。医師や看護師の指導のもと、有酸素運動を積極的に取り入れ、回復の度合いに合わせて少しずつ負荷を増やしていきます。
一昔前までは、術後は1週間近く集中治療室で安静にするのが当たり前でした。それでは筋力が低下したり、呼吸機能が落ちたり、体力が衰えて日常生活に戻るまでに時間がかかります。
最近は、患者さんがベッドから起き上がって歩行などを行う「離床」をできるだけ早く始めるようになりました。回復状態によって違ってきますが、一般的に手術の翌日から離床を始め、おおむね2~3日で病院内を歩き回れるようになってきます。そこから徐々に距離を延ばしたり、階段昇降を組み合わせていくのです。
最近は、さまざまなエクササイズマシンも開発されています。そうした機器を有効に取り入れながらリハビリに取り組むと、早い段階で負荷を増やしたり、期間を短縮できる場合もあります。リハビリを担当する医師や看護師に相談するといいでしょう。
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