日頃の運動により、より多くの血液を体中に循環できるように鍛えられていた心臓は、それに見合った大きさになっています。とりわけ、肺から血液を受ける左心房が通常よりも大きくなっているケースが多い。そうした人が運動をやめてしまうと、拍動をコントロールしているシステムが崩れて、心房細動を起こしやすくなるのです。現役時代に頑張っていた人ほど、心房細動になるケースが多い印象を受けます。
アスリートと同様に、ミュージシャンも心房細動が多く見られます。歌を歌ったり、演奏活動をしたりする際、より多くの血液を循環させるような心臓の鍛え方をしているからでしょう。
また、アスリートやミュージシャンは、高血圧である傾向が強いことも、心房細動が多い一因です。運動も演奏活動も、ピーク時は血圧が180~200㎜Hgくらいまで上がります。そうした血圧の上がり下がりを繰り返していることも、心房細動の原因になるのです。
ずっと心臓を守っていくためには、やはり適度な運動が大切なのです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」