しかし、今は患者さんの意識がまったく違います。「透析もそれほど悪くない。透析を受ければそれまでと同じような人生を送れるなら、それもいいじゃないか」といったポジティブな患者さんが、ここ10年ほどの間にかなり増えてきた印象です。
そうした前向きな患者さんの多くは、腎臓の後に心臓が悪いと診断された時、「透析を受けている最中に血圧が急激に下がるので、自分でも心臓が悪いことは分かる。もし心臓を治して透析中のトラブルがなくなれば、それからの人生がまた楽しくなるんじゃないか」と考えるのです。
ただ、患者さんが前向きなのをいいことに、「こんな新しい治療法がありますよ」とか「今しかこの治療はできませんよ」などと言って、しっかりしたエビデンス(科学的根拠)がない治療を勧める医師がいるのも事実です。これはとんでもないことです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」